『ベニシアさんの四季の庭』助監督インタビュー【前編】

本作の助監督 深谷純さん。

小学校教諭の道から、この業界に飛び込んだばかりの頃に

「猫のしっぽ カエルの手」制作チームに加入したそうです。

ある意味でベニシアさん人気の拡がりとともに

成長してきたとも言える深谷さんに、

ドキュメンタリー制作の舞台裏を語っていただきました。

 

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–助監督というのはどういうお仕事なのですか?

 

監督が自分の好きなように演出できるように、そして、出演者が気持ちよくカメラの前で動けるように、ありとあらゆる準備をすること、ですね。具体的には、取材候補の抽出やアポイント、撮影の許可申請やスケジューリング、お弁当や備品の手配など、かなり多岐にわたります。

 

特に、本作のようなドキュメンタリーの場合、出演者は俳優ではなくあくまで一般人なので、演出という土俵で監督と議論することは難しい部分があります。たとえば、ベニシアさんが今日は藍色の服が着たいと思っても、映画的には前とのつながりでその服だとつじつまが合わなくなる。ベニシアさんは気にしなくてよいと言うけれど、監督としてはOKできない。なんてことがあったりします。そういうときに間に入ってコミュニケーションして、双方が納得する落としどころを作るのが僕の役割です。ココは受け入れるから、アッチは譲ってね、という感じで。

 

 

–大変なお仕事ですね。

 

たまに板挟みになってしんどいことはありますね(苦笑)。でも、いつか自分もドキュメンタリーを作りたいと思ってこの世界に入ったので、今はそのための修行です。それに、取材を通じていろんな方と出会えるのは、とても楽しいですよ。

 

あとは、相手を説得しようとするのではなく、相手の話をとことん聞いてあげることが大切だと学びました。僕の場合は、他のスタッフとは離れて、1:1でベニシアさんの話を聞くようにしていました。

 

 

–ベニシアさんの深谷さんへの信頼は厚いということを聞いています。

 

照れますね…。そんな立派なものかは分かりませんが、頼っていただけるのは嬉しいです。孫のジョーくんの送り迎え、夕飯の下準備、庭の水まき、ゴミ出しなど、撮影をスムーズに進めるために僕にできることはなんでもやりました。

 

一方で、ベニシアさんが僕のことをすごく気にかけてくださっていることは感じます。撮影本番前の待ち時間に、「すごく良いヒト(女性)がいるのだけど紹介しようか」とか「ちゃんとご飯は食べてるのか」とか言われます(笑)。冬に撮影にいくと、サーマル(冬用の下着)をくれたり。母親みたい、とまでは思いませんが、すごくありがたいなと思います。

 

 

–ありがとうございました!続きは後編で。

 

後編も公開しました。こちらから!